杉並の住宅倒壊、区が擁壁補強を指導 「業者見つかった」矢先に崩落

寺沢知海 遠藤隆史 松田果穂
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 東京都杉並区で9月30日夜に擁壁が崩れて戸建て住宅が全壊し、その一部が隣接するマンションの敷地内になだれ込んだ。この擁壁については、少なくとも数年前から区が危険性について認識しており、補強するよう指導しているところだったという。

 警視庁高井戸署などによると、30日午後7時20分ごろ、杉並区堀ノ内1丁目で「一戸建てが崩れてきている」と110番通報があった。高さ4~5メートルの擁壁が崩れ、全壊した住宅のがれきが道路を挟んで隣接するマンションのベランダまで入り込んだ。

 全壊した住宅は築57年で、木造2階建て延べ約78平方メートル。所有者である50代の男性と息子の2人が暮らしており、在宅していた男性は異変に気づいて避難し、無事だった。マンション住民にも負傷者はいなかったが、一部世帯がホテルなどへの避難を強いられた。

 マンション7階に住む女性(53)は自宅でテレビを見ていたとき、地震のような揺れを感じた。ベランダに出ると、向かいの住宅が斜めに傾いており、5分もしないうちに「バーン」という大きな音とともに住宅が崩れ落ちた。3階くらいの高さまで土煙が上がり、周囲ではガスが漏れているようなにおいがしたという。

 杉並区建築課によると、崩れた擁壁については少なくとも数年前から、近くの住民から「心配だ」という趣旨の相談が複数寄せられ、区としても危険な状態を認識していた。所有者の男性に対しては文書と口頭で、補強するよう指導してきたという。先週になって男性から「工事が可能な業者が見つかった」と連絡があったが、その矢先に事故が起きた。

 区は今後、道路などに残ったがれきについてどう撤去するか、住宅の所有者と相談するとしている。この現場以外にも、補強をめぐって指導している擁壁があるといい、区内全域で緊急点検を実施する方針を示している。

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この記事を書いた人
遠藤隆史
大阪社会部|司法クラブキャップ
専門・関心分野
司法、労働、福祉

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