中道保守政党が衰退し、右派が台頭する。こうした欧州政治の流れから見える自民党の行方とは。欧州政治とポピュリズムに詳しい水島治郎・千葉大学教授(政治学)に聞いた。
――参院選では自民党の支持層が他党に流れて大敗しました。欧州と比較してどう見ますか。
欧州各国の保守政党と、自民党の命運は、驚くほどシンクロしています。20世紀から21世紀初頭にかけて、欧州では二大政党的なシステムができていました。英国では保守党と労働党、ドイツなら中道右派のキリスト教民主・社会同盟と中道左派の社会民主党といった具合です。
保守政党の特徴は、保守だけれども極端な方向にはいかない。比較的ゆるい形で中道から右派的な層もまとめていた点にあります。でもそれが崩れ出しています。
「反ソ連」「反共」中道保守の核が崩れる
――それはなぜでしょうか。
冷戦が終わり、「反ソ連」「反共」という大義名分、錦の御旗がなくなったことが大きい。社会主義に対抗する、という中道保守の核が崩れてしまいました。
――その後の動きは。
反共産主義に変わる一つの旗が、「反イスラム」です。2001年の米同時多発テロ以降、欧州でも、西洋文明や社会秩序を脅かす存在としてイスラムが語られるようになり、反イスラムを明確に掲げた右派ポピュリストが伸長しました。
ドイツでは今年2月、排外的な主張を訴える極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が第2党に躍進しました。
――なぜ中道保守より右派が支持されるのでしょうか。
「自国第一」をあおる右派ポ…
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