石破茂首相の退陣表明を受けた自民党総裁選で、高市早苗氏が当選しました。低成長や物価高など、日本経済が抱える課題に対し、政策論議は深まったのでしょうか。新政権に求められることは。金融市場で「国の信用」を見つめてきたエコノミストの中空麻奈さんに聞きました。
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深まらなかった政策論議
今回の自民党総裁選は、現金給付か消費税の減税かが争われた7月の参院選に比べ、争点がはっきりしなかった印象です。少数与党となり、党内融和や野党との協力構築を意識せざるを得ない事情もあったのでしょうが、候補者は独自色や持論を薄め、「これをぜひ実現したい」という大局的な政策は伝わってきませんでした。
経済政策でもっとも求められたのは、安定的な成長をどうやって実現するかを深掘りした議論だと思います。生産性や賃金を上げる重要性は、みな分かっているわけですが、じゃあどうしたらそれを達成、継続できるのかを考えないといけないし、成長や賃金上昇に必要な雇用の流動化についても、正面から考えることが必要でした。それを通して、国民や世界に向けて日本の前向きな変化を打ち出すことを期待したのですが、残念ながら議論は深まらず、聞いたことがあるような小手先の話が多かったように思えます。
主要テーマになった物価高対…
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