第1回捨てられる楽器、少子化で減りゆく吹奏楽部 そして迫る地域移行の波

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魚住ゆかり 河原田慎一
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 「まるで倉庫でしょ。この辺は吹奏楽部で使われていた楽器。廃棄処分になったものです」

 盛岡市にある楽器店「安倍管楽器SERVICE」。代表の安倍一洋さん(66)が棚の上を指さす。同じ学校名が書かれた楽器ケースが積み上がっていた。

 吹奏楽部の「衰退」により、使われなくなって、今春、持ち込まれた楽器だという。その数は38本に上る。

 安倍さんが中学校や高校の吹奏楽部の楽器修理に携わって20年。10年ほど前から、修理だけでなく、廃棄の相談をする電話が入るようになった。

 吹奏楽で使われる楽器は、金属や木、プラスチックなど様々な素材でできている。廃棄物業者はそのままでは引き取ってくれない。

 安倍さんは、まだ使えるものは手入れをして必要とする学校などに無償譲渡する。修理ができない楽器は分解し、使える部品をほかの楽器の修理用に回し、残りを廃棄物業者に持ち込む。

 「自分が中学生のころは、自分たちで楽器を分解して直していたくらいですから。簡単には捨てられないですよ」。楽器をゴミにしたくない、という切実な思いがにじむ。

 少子化の影響で学校の統廃合が進み、岩手県内ではこの10年で小中高の数は594校から494校にまで100校減った。それに伴い、吹奏楽部も減少。岩手県吹奏楽連盟の加盟校数は、この10年で199校から174校にまで25校減った。

 そして今後、安倍さんの店に持ち込まれる楽器はさらに増えるかもしれない。

 国が進める、中学校を対象とした「部活動の地域移行」の影響だ。

 国は2022年、部活動を学校としての活動から地域のクラブ活動に移行させることを目指した部活動改革のガイドライン(方針)を策定した。

 背景にあるのは、部活動の顧…

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この記事を書いた人
魚住ゆかり
ネットワーク報道本部
専門・関心分野
音楽(主に吹奏楽・合唱)、歴史、文化、いきもの
河原田慎一
ネットワーク報道本部|吹奏楽などの音楽系主催事業
専門・関心分野
公共交通、イタリア文化、音楽
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    内田良
    名古屋大学大学院教授=教育社会学
    視点

    記事にあるとおり、吹奏楽は「広い練習場所、大型楽器の保管場所・運搬手段を確保しなければならない」ために、学校を離れた活動、学区を超えた活動が容易ではありません。吹奏楽は、もっとも地域移行・展開が難しい部活動だと思われます。 しかしながら、

    2025年9月28日 21:06
  • commentatorHeader
    塚田穂高
    文教大学国際学部教授・宗教社会学者
    解説

    吹奏楽関連の動向となるとつい熱くなってしまうのですが…少子化+地域移行でさらに楽器「廃棄」も増加かも、という残念な光景です。現状では、民間の楽器屋さん・楽器修理屋さんの「善意」でなんとか下支えされている状態だと。 学校の吹奏楽文化は、もちろ

    2025年9月28日 23:59

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