
最近話題のNFT(エヌエフティー)って?
ブロックチェーン技術がもたらす未来
「暗号資産」と共にニュースで見聞きする「NFT」。聞いたことはあるけれど、実際にどんなものかわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は国内大手暗号資産取引所であるコインチェックの天羽健介常務執行役員に、NFTについて教えていただきました!
天羽 健介(あもう けんすけ)さん
――NFTという言葉を目にする機会が増えました。NFTとはなんでしょうか。
天羽: NFTとは、Non Fungible Token(ノンファンジブル・トークン)の略で、簡単に言えば「世界に一つだけのデジタル資産」のことです。ファンジブルが代替可能という意味なので、ノンファンジブルは「代替不可能」、つまりそれぞれが固有で唯一無二の存在ということですね。
FT(ファンジブルトークン)の例を一つ出すと、ビットコインやイーサリアムといった暗号資産が挙げられます。暗号資産の場合、Aさんがもっている1ビットコインとBさんがもっている1ビットコインは、円やドルと同じように全く同じ価値のため、それぞれを入れ替えても支障をきたしません。なので、ファンジブルトークン、代替可能なトークンと呼ぶことができます。
一方で、同じ量販店が発売したTシャツでも、片方に金メダリストのサインが入っていた場合は、固有の価値を持つ1点物になりますよね。NFTは、ブロックチェーン技術を用いることで、個別の識別サインが記録されます。そのため、それぞれが代替不可能なものとなり、世界に一つだけの価値が生まれると言えます。
――NFTと暗号資産の関係について教えてください。
天羽: NFTは、ブロックチェーン上に識別サインが記録されるため、そのチェーン上で使える暗号資産で取引される、という関係があります。現在流通するNFTの多くがイーサリアムブロックチェーン上で構築されているため、イーサリアムを使ってNFTを売買することが多いです。
また、暗号資産の価格面での関連性も見いだすことができます。特に影響が大きいのはイーサリアムの価格で、NFTが活発に取引された2021年11月には、1イーサリアム=約54万円という過去最高値を記録しました。
――NFTは現在、どんな分野で活用されているのでしょうか。
天羽: 現在は、主にゲームやアートの分野で活用されています。特に、2021年には「Play to earn」という言葉がトレンドになるなど、NFTゲームが普及しました。実際、フィリピンの事例として、「Axie Infinity」(アクシーインフィニティ)というゲームを1日プレイして、当時レートで2万円ほど稼ぎ、生活の手段にする若者が話題になりました。
NFTアートも着実に普及しています。世界的アーティストである村上隆さんがNFTアートに参入したことも、話題になりましたね。NFTアートの場合、作品の所有権をNFT化することが多いです。アメリカ人アーティスト・Beeple(ビープル)のNFTアートのデジタルコラージュが出品された時は、(日本円にして)約75億円もの金額で落札されました。
――私たち一般消費者が、NFTに触れる場面、活用できる場はあるのでしょうか。
天羽: 身近なところで言えば、やはりNFTゲームでしょう。ゲーム内アイテムやキャラクターをNFT化するようなゲームが普及すれば、カジュアルにNFTを取引するようになるかもしれません。特に日本はIP大国なので、たくさんのユーザーがプレイするゲームがNFTを導入する、といった現象が起きれば、NFTは身近な存在になるでしょう。
また、将来的には、ファンクラブなどの会員権にNFTが導入される可能性があります。NFT保有者限定のサービスをデザインするなど、NFTを用いることでしかできない活用法が次々に生まれることを期待しています。
――コインチェックではNFTについてどのようなサービスを展開されていますか。
天羽: コインチェックでは、「Coincheck NFT(β版)」というNFTマーケットプレイスを提供しています。国内初の暗号資産交換業者が提供するマーケットプレイスです。
最大の特徴は、コインチェックの口座に預けている暗号資産をそのままNFTの決済に利用できるという点です。そのため、NFT初心者の方でも簡単に取引しやすい設計になっています。また、多くのNFTマーケットプレイスでは、NFTの出品・購入に「ガス代」と呼ばれる手数料を払う必要があるのですが、Coincheck NFT(β版)ではガス代がかかりません。
最近は、GenerativemaskやOthersideといった、世界中で取引されているアート・メタバース分野のNFTの取り扱いも開始しました。これからも、どんどん拡充していく予定です。
――NFTが一般的になった場合に広がる未来や、今後の展望についてお聞かせください。
天羽: NFTの高額落札などのニュースを見て、どこか怪しさを感じる読者の方もいるかもしれません。しかし、過去を振り返ると、インターネットも黎明期には突然のきっかけと共にある種の怪しさをまとった熱狂がありました。NFTはそういう意味で、「新しい時代の入り口」に立っている状況といえるかもしれません。NFTは、Web3を牽引する技術の一つであり、無限の可能性を秘めている、と私は考えています。



































































