
内需が拡大する街 マニラ
前回紹介したドバイに続く2018年注目の都市第二弾は、フィリピンのマニラです。東京から飛行機で約4時間半と非常に近い街ですが、あまり日本ではその実態が知られていません。経済成長でいま勢いに乗るマニラをSTART!編集部が取材しました。
経済発展著しい街
マニラはフィリピンの首都で、首都圏の人口は約1288万人と同国最大の都市です。政治や経済の中心として知られ、中心部には高層ビルがひしめきます。
ビジネスの中心部であるマカティ地区には、洗練されたショッピングモールや高級ホテルが多数あり、休日になると多くの地元民でにぎわいます。
マニラというと治安が悪く、スラム街や浮浪者のイメージを持つ方がいらっしゃるのですが、現地に長く住んでいる日本人によると、都市部はだいぶ改善されてきたとのこと。2016年6月に就任したドゥテルテ大統領は、治安改善こそが経済発展の基盤になるとの考え方を持っており、強権的な取り締まりを進めているのが背景にあるそうです。日中は市内を歩いていても特に危険なことには遭うことはあまりないです。
渋滞解消が成長のカギ
続いて交通環境です。LRT(Light Rail Transit)やMRT(Metro Rail Transit)など鉄道はあるのですが輸送能力は十分ではなく、バスやジプニー(ジープを改造した乗り合いタクシー)、トライシクル(オートバイにサイドカーを付けたタクシー)での移動がまだ一般的です。そのため朝晩の交通渋滞はかなり激しいものになっています。
渋滞解消のために、ドゥテルテ政権はインフラ開発を積極的に進めています。「ビルド・ビルド・ビルド」という名の大型開発プロジェクトで鉄道網を整備し、日本のODAを活用してフィリピン初の地下鉄建設も進めています。「メガ・マニラ・サブウェイ」と名づけられた地下鉄は、ケソン市からニノイ・アキノ国際空港までを結ぶ約25キロメートルで2025年の部分開業を目指しています。マニラ市街を見る限り、渋滞が少なくなればよりビジネスが潤滑に回るのではないかと感じます。
内需の伸びが拡大
アジア開発銀行(ADB)が4月に出したレポートによると、フィリピンの経済成長率は2018年6.8%、19年6.9%と引き続き高い伸びが予測されています。海外で働く出稼ぎ労働者からの送金に加え、内需が拡大することがその要因として挙げられます。人口増加に加えて、富裕層や中間層の急増が消費を支えます。国内最大級のショッピングモール「モール・オブ・アジア」に行くと、スターバックスなどのカフェに連日行列ができているほか、日本のラーメンショップやレストランなどに多くの人が並んでいるのを目にします。
また都心部周辺には、50階を超えるタワーマンションが多数建設中で、既に完売している物件も出ているとのこと。不動産業者に聞いたところによると、購入する層は国内の富裕層に加え、欧州の個人投資家、中国の富裕層もけっこういるそうです。
取材して感じたフィリピンの強みは、英語が話せる人材が極めて多いということです。日常生活に自然に英語が組み込まれています。多くの学校で国語や歴史以外の授業は英語を使って勉強するほか、街中の看板や標識も英語表記がほとんどです。小さいころから親しんでいることもあり、リスニングやスピーキングのスキルは日本よりかなりハイレベルだと感じます。海外での人材需要が高いのも納得です。
マニラが持つ課題としては、先に述べた交通渋滞により経済損失をどのように緩和させていくのか、税制が他の東南アジアと比べて高く海外資本の投資額をどのようにコントロールしていけるか、などが挙げられます。フィリピンやマニラの経済に興味のある方は、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。


































































