
【2017年夏休み】ニッポンの消費動向を探る
ボーナスの額が過ごし方を左右する?
日本中が休暇を楽しむ人であふれかえるお盆シーズンですが、2017年の消費動向はどのようになっているのでしょうか。明治安田生命保険相互会社の調査結果に基づき、確認してみましょう(※)。
まず夏休みに使うお金の額ですが、全体の平均は81,380円。これは2年連続の減少で、個人消費が回復しているとはいえない状況が続いています。なお3大都市圏に比べると、その他の地域は2,995円のマイナス。地域格差は拡大傾向にあります。
男女別では男性が82,723円(昨年比+680円)であるのに対し、女性は80,029(昨年比-6,596円)で、11年ぶりに男女の金額が逆転しました。超低金利の状況が続くなかで、男性よりも女性の財布のひもの方が固くなっているようです。
直近の夏のボーナスについて見てみると、額が「増えた」と回答した人は全体の10.9%で、昨年を2.3ポイント下回りました。一方で「もともとボーナスはない/わからない」という回答が41.3%を占め、こちらは昨年を3.3ポイント上回っています。
ボーナスの増減が夏休みのプランに影響するかという質問に対しては、ボーナスが増えた人で「影響した」と答えたのは18.5%であるのに対し、ボーナスが減った人で「影響した」と答えた人は実に41.5%でした。ボーナスの減少が、夏休みのお金の使い道に大きな影響を与えているといえそうです。
※【調査概要】[1.調査方法]インターネット調査[2.調査の対象]20〜59歳の男女[3.有効回答数]1,093人(20代男性139人/20代女性132人/30代男性138人/30代女性136人/40代男性135人/40代女性139人/50代男性136人/50代女性138人)[4.調査実施日]2017年7月3日〜10日
夏休みから見る日本人のQOLの理想と現実
この調査では、夏休みの「理想」と「現実」についても調べています。興味深いのは、夏休みの日数についての調査。理想とする夏休みの日数は「17.3日」と調査開始以来最長となりましたが、現実の日数は「8.2日」(昨年比-0.7日)で、理想と現実のギャップは調査開始以来最大となりました。
夏休みの過ごし方については、「自宅でゆっくり」がトップで74.6%。次いで「国内旅行」が35.6%。3位が「帰省」で25.9%という結果になりました。自宅でゆっくりする理由の上位は「出費がかさむので」「暑いので、外出したくない」。節約や猛暑を意識して、外出を控える人が多いよう。
一方で理想の過ごし方の上位は「海外旅行」「国内旅行」「自宅でゆっくり」の順になっており、「本当は海外旅行に行きたいけれど、実際は出費を抑えなければいけない」という家計の事情で、仕方なく自宅で過ごしている人も少なくないようです。
内閣が推し進めている「働き方改革」が少しずつ浸透し、ワーク・ライフ・バランスを重視しQOL(クオリティー・オブ・ライフ)の向上を目指す企業が増えてきてはいるものの、まだまだ休暇取得やお財布事情に関する理想と現実には、大きな開きがあるといえそうです。
帰省に掛ける額は節約傾向に対し「お盆玉」が増加傾向
帰省の費用と交通手段に関する調査を見てみると、交通費は22,516円と昨年比で3,124円減少。夏の帰省の交通費についての調査が始まった2009年以来、最低額となりました。おみやげ代は8,940円と昨年比で682円増加したものの、帰省費用(交通費+おみやげ代)は31,456円と、こちらも09年の調査開始以来最低となりました。
お盆に孫や親戚の子どもにおこづかいを渡す「お盆玉」については、7.2%の人が「渡す予定がある」と回答しており、昨年比で1.2%増加。金額の平均は8,804円で、昨年比で2,013円の増加でした。帰省に使うお金が節約傾向にある一方で、孫や親戚の子どもにはお金を掛けたいと思っている人が増えているのかもしれません。
導入が検討されている「キッズウィーク」の理想は秋
夏休みなど学校の長期休暇の一部を別の時期に移し、親が働く企業への休暇取得を促進する「キッズウィーク」の導入が検討されています。この賛否については「導入すべき」「どちらかといえば導入すべき」の合計が30.0%で、「導入すべきではない」「どちらかといえば導入すべきではない」の合計23.3%を上回りました。ただし「どちらともいえない」が46.7%を占めており、制度自体への期待もあるものの、実際はまだまだ懐疑的という人が多いようです。
「キッズウィーク」導入に賛成で、かつ対象の子どもがいる人に、子どもの長期休暇の一部を何月ごろに移動させるのが理想か聞いてみたところ、トップ3が10月(35.8%)、11月(14.2%)、9月(13.7%)となり、秋を希望する人が過半数を占めました。過ごしやすい気候であること、観光に適したシーズンであることが調査結果に反映されているようです。また、一年で唯一祝日のない6月が10.4%と4番目に多い結果となりました。
観光地や交通機関の混雑が分散され、旅行費や宿泊費が安い時期に出掛けるという選択肢も増えるため、旅行需要を刺激する効果が期待できるとされながらも、「プレミアムフライデー」「働き方改革」などと同様、現状のままでは導入が始まっても短期間での普及は難しいと見られている「キッズウィーク」。政府による強い働きかけと企業側の努力、経営者の意識改革が成否のカギをにぎることは間違いありません。


































































