
「つながる」で生まれる新たなチャンスとは
ロストジェネレーション、ゆとり世代のはざまにある「80年代生まれ」が、現在と未来をどのように考えているか。今年1月、START!編集部とウェブマガジン「EL BORDE(エル・ボルデ)」(https://www.nomura.co.jp/el_borde/)は共同で、読者アンケートを実施しました。
全国の80年代生まれ588人に、「リスク」「チャンス」「ハッピー」について聞いたところ、さまざまな意見が集まりました。
この結果をもとにした連載「充実した人生を送るための6つのヒント」。第二弾は、80年代生まれが考える「チャンス」についてです。
テクノロジーの進化は大きなチャンス
「あなたのキャリアや人生設計にとって『チャンス』だと思う世の中の変化は?」という質問に対する上位三つの回答(複数回答可)は、①AIの進化(51.5%)、②IoT(43.5%)、③スマホなどの普及(39.0%)でした。
前回に引き続き、家計の見直し相談センター代表でファイナンシャルプランナーの藤川太さんに、テクノロジーがもたらす変化について話を伺いました。
「AIが進化することで単純作業の仕事は少なくなり、高付加価値の仕事やAIに何をさせるか考える仕事が残っていくでしょう。報酬的には今よりも二極化が進むと思われます」
「これまでも技術革新が進むたびに同じような議論がありましたが、仕事の種類は変化してもなんだかんだ仕事はあるものです。そもそも技術革新は変化への対応力を持つ若い世代にとってはチャンスです。若い世代であれば失敗してもやり直せる時間があるわけで、前向きに自分たちで次の時代をつくっていきたいですね。アンケートを見るとこの機会をチャンスと考える人が多いようで、安心しました」
自由回答には、このような意見がありました。
- 今までにないサービスや、よりよいサービスが提供されることで、社会課題が解決できる可能性がある。(男性・35歳)
- 日常生活や仕事における行動データが蓄積されることで、世の中のためになることが増える。(男性・33歳)
- AIが進化したら、日本もデンマークやフィンランドのような社会システムがつくれそう(女性・38歳)
テクノロジーの進化によってさまざまなものがつながり、社会自体が大きく変わっていくことは、自分たちの世代にとって大きなチャンスをもたらすという意見が多くみられました。
藤川さんは未来について、このように示唆します。
「ITが進化すれば、時間と場所の制約が少なくなります。満員電車に乗って都心のオフィスに通勤して、という概念もなくなっていき、より家庭と仕事の両立がしやすい環境になるのではないかと思います。一方、多くの人にとっては、時間はあるけど収入は高くないという状況が予想されます。より低コストで幸福感を得られるよう生活を変化させていく必要があるでしょう。すると、地方や郊外の暮らしやすい地域の不動産が人気になるという逆転現象が起こるかもしれません」
テクノロジーでつながる未来は、さまざまなものがボーダレスになっていく社会なのかもしれません。都心から地方へ、さらには所有からシェアへと、これまでの価値観が解放されていきます。今までの価値観にしばられない働き方やお金に対する新たな考え方を身につけて、実践していく必要がありそうです。
80年代生まれはいかに生きるべきなのか
また90年代生まれの経済評論家・横川楓さんにも、前回同様に話を伺いました。横川さんはこのように分析します。
「テクノロジーの進化が仕事や生活にゆとりをつくることで、自分を見つめ直す時間が多く生まれるのではないでしょうか。自分が描くビジネスパーソン像や将来のライフプランなどをじっくりと考えると、より自分のお金と向き合う機会も必然的に増えるでしょう」
「日本の場合、義務教育では身の回りのお金の仕組みを学ぶことはほぼ皆無です。ただAIが活用されたロボアドバイザーでの資産運用サービスが始まっているように、自分の資産状況とダイレクトにつながった効率的な資産形成の提案を新しい技術がしてくれることで、よりお金の仕組みや資産形成が身近になると考えます」
自由回答にも
- 生活形態が変われば、これまで払っていたお金を効率化することができるのではないか(女性・33歳)
- 新たな収入の柱が出始めている(男性・34歳)
- 今までにないビジネスチャンスが生まれる(男性・37歳)
というお金に対する期待の声も見られました。
横川さんはさらに続けます。
「本業以外に仕事を持つ人が、この先増えていくのは間違いありません。今までは副業というと、家に帰ってコツコツ地道に作業するイメージでしたが、いまではスマホ1台あれば本業とは別にお金を稼げる。そんな選択肢が広がっています。テクノロジーの発展によってさまざまなものがつながると、電子化・自動化がより一層加速します。今まで以上に自分自身で管理しなくてもお金が稼げる未来になるのではないでしょうか」
時間的にも空間的にもどんどん縛りがなっていくことは、80年代生まれの未来に多くの選択肢をもたらします。それにともって、人々の幸せのかたちも大きく様変わりしていくと横川さんは示唆してくれました。
最終回は、お金や恋愛、仕事に深く関係する「ハッピー」について掲載します。
今回お話を伺ったのは
藤川太(ふじかわ・ふとし)さん
1968年生まれ。家計の見直し相談センター代表取締役、ファイナンシャルプランナー。これまで2万世帯を超える家計の診断をするなど、家計見直しの第一人者。
横川楓(よこかわ・かえで」さん
1990年生まれ。経済評論家、ファイナンシャルプランナー。元地下アイドル。START!では、FPかえで先生の「知って得する お金の基礎知識」を連載中。


































































