
「そのうち」は永遠にやってこない
多くの人が「将来のために、今我慢しなさい」と教育されてきたはずです。確かに後先考えずに散財したり、将来に向けた努力を放棄したりするというのは愚かな行為でしょう。しかし、今、我慢するという行為も、行き過ぎてしまうと、同じ結果になってしまいかねません。
むやみに我慢してしまうことの最大の弊害は、新しいことに取り組む意欲をなくしてしまうことです。
基本的にラクしてお金がもうかる方法はありません。ビジネスにしろ投資にしろ、努力とチャレンジをしなければ大きな魚が釣れないことは常識といってよいでしょう。
しかし、いつも我慢ばかりしていると、チャレンジ精神も弱くなってしまいます。新しいことに対しておっくうになるという現象は、日常的な出来事にも及んできます。
今は忙しいけれども「そのうち」ゆっくり旅行に行きたいという話はよく耳にしていると思います。残念ですが、たいていの場合「そのうち」は永遠にやってきません。
なぜなら「そのうち」「いつかは」と考えている段階で、それほど強い欲求ではないからです。そして、こうしたことを繰り返しているうちに、新しいことにチャレンジする気持ちも衰退していきます。
これは、いろいろな話にあてはめることができるでしょう。
いつかは転職したい、いつかは独立したい、という話はよく聞きますが、その後、実際に実現したという話はあまり聞きません。
後先考えずに行動するのは危険なことですが、一方で、物事というのは、実際にやってみないと分からないことが多いのも事実です。したがって、できる範囲で、まずやってみるというのはとても大事なことなのです。もし旅行に行きたいと思っているのであれば、すぐに行動した方がよいでしょう。

仕事をしていると、まとまった時間を取るのは難しいことかもしれません。しかし、本当に多少のまとまった休みを取ることはできないのでしょうか? こういう時には、普段から職場でどのように振る舞ってきたかが問われることになります。
周囲の状況を常に理解し、チーム全体のことを考えて仕事をしてきた人であれば、大型連休などを活用して、2週間休むということになっても、皆、それなりに協力してくれるはずです。上司も、これまでの仕事に対する貢献が十分であれば、納得してくれる可能性が高くなるでしょう。
日常的な小さな話と、非日常的な大きな話は実は地下深くでつながっています。小さなことに対しても意欲的に取り組む姿勢を続けていれば、それは大きな話になっても効果を発揮するものなのです。
こうした行動力が身に着いてくると、最終的には大きな武器を手にすることができます。それは「お金がないことを言い訳にしない」という武器です。
お金がないことを言い訳にするのは、非常に危険な行為です。お金がないので○○ができない、という論法を一度使ってしまうと、それは麻薬のように常習化してしまいます。
うまくいかない理由としてお金がないことをあげれば、ほとんどの場合、納得できる答えになってしまいます。自分がうまくいかないことは、すべてお金のせいにできますから、これほど便利な言い訳はありません。これを繰り返していると、行動する勇気はどんどん消滅していきます。
日頃から小さな行動を積み重ねていくことこそが、大きな行動力の源泉となり、最終的には経済的な豊かさを引き寄せることになるのです。