お金を呼ぶ教養塾

これからはお金が要らない時代がやってくる?

経済評論家加谷 珪一

お金と信用はどちらが大事ですか?と聞かれれば、多くの人は信用だと答えるでしょう。お金があっても人からの信用をなくしてしまえば、幸せな生活を送ることはできません。中には、それでもお金の方が大事だと思う人もいるかもしれませんし、それはそれでひとつの考え方ですが、やはり人との関係性を無視できない以上、信用は何にも代えがたい資産だと筆者は思います。

しかしながら、実はお金と信用というのは密接に結びついており、切っても切れない関係にあります。結局のところお金にだらしない人は他人からの信用を失いますし、他人から信用してもらえない人は、お金にもあまり恵まれません。少なくとも他人から高い信用を勝ち取っている人は、お金の問題で困るケースは少ないと考えてよいでしょう。

お金と信用の関係でもっとも身近なのは、クレジットカードです。クレジットカードを使えば、店舗やネット通販で買い物をしても、支払日までは銀行からお金が引き落とされることはありません。その間については、カード会社が信用ベースで、利用者にお金を貸しているような状況ですから、カード会社としてはしっかり払ってくれる人でなければ、カードを発行できません。クレジットは信用という意味で、クレジットカードはまさに信用を基本とした決済サービスということになります。

会社などでは、請求を送って翌月末に支払われるといった決済方法をよく目にしますが、これも信用をもとにした、一種のツケ払いということになります。相手が確実に払ってくれる保証はありませんから、信用できる取引先でなければ、こうした決済方法は選択できないでしょう。

住宅ローンも同じです。住宅ローンは本来、家にお金を貸すものですから、借りる人がどのような人なのかはあまり関係しないはずですが、現実には、借りる人の属性によって、ローンがきちんと返済されるのかは変わってきます。このため住宅ローンを提供している銀行などは、公務員や大企業の社員など、クビになる可能性が低く、同じレベルの収入が長く継続できそうな人にお金を貸したがります。

※写真はイメージです。

近年、こうしたお金と信用の関係が技術の進歩で大きく変わろうとしています。

先ほど、住宅ローンの貸し手は、勤務先が安定している人に貸したがると説明しましたが、その理由は、職業くらいしか、その人の信用を測る方法がなかったからです。フリーランスの人などが、収入が不安定だとしてローンを断られるケースがあるのはこうした理由からです。

ところがSNSの普及によってその状況が大きく変わりつつあります。ネット上で多くの人から資金を募るクラウドファンディングという手法が日本でもジワジワ普及しており、ネット上での評価を元に、多くの人から資金提供してもらえるケースが増えているのです。

確かに、ツイッターで多数のフォロワーを持っている人であれば、その人脈を使って何らかのプロジェクトを立ち上げることはそれほど難しいことではありません。そうなると500万円の貯金を持っていたり、大企業の正社員であったりすることよりも、ネット上で他人から信用されている人の方が、お金に困らないという可能性も出てくるのです。

一部の人は、インターネット上で人に値札が付いてしまうことについて危惧しています。確かに、すべてを金銭で評価する社会が良いとは筆者も思いませんが、これまで「○×企業の社員です」ということだけが信用の証しだったというのもやはり不自然でしょう。

単に話題性だけでフォロワーを増やしている人もいますが、長年にわたって着実にフォロワーを増やしている人は、誠意を持ってネット上の発信を行っているからであり、そうした人に対して、信用が付与される社会というのは決して悪いものではないと思います。

こうしたネット上での信用がさらに拡大すると、お金が介在しなくても、モノやサービスを交換できるようになります。例えばネット上で、ある作業の手伝いをする代わりに、中古のスマホが欲しいと呼びかけ、その取引が成立すれば、それは一種の物々交換であり、マネーの市場を介さずにモノやサービスがやり取りされたことになります。

また失業したとしても、ネット上での友人が多ければ、新しい職場を紹介してもらえるかもしれませんし、起業に誘われるかもしれません。

確かにお金は大事ですが、このように考えると、過度にお金に執着しなくても、十分に豊かな人生を送れるということがお分かりいだだけるのではないかと思います。信用される人の周囲にはよい人が集まり、結果的に必要な時にはお金に困らない生活が実現できるわけです。

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