お金を呼ぶ教養塾

お金について誰からアドバイスを受けるべきか

経済評論家加谷 珪一

皆さんはお金の使い方や増やし方など、マネーに関するリテラシーをどのように身に付けているでしょうか。身近にアドバイスをくれる人がいるというケースもあると思いますが、そのような人は少数派でしょう。多くの人は、Webサイトや書籍などから、間接的にお金に関する知識や情報を得ていると思います。このサイトもお金に関する知識を提供していますから、その手段の一つかもしれません。

こうした一般公開されているコンテンツを利用するというのは、もっとも効率良くリテラシーを獲得できる手段ですから、まずは多くの情報に触れることが大事です。しかしながら、ただやみくもに多くの情報を収集すればよいというものではありません。

当然ですが、こうしたコンテンツは玉石混交であり、有益なものもあれば、ほとんど意味のないものもあるというのが現実です。このように書いてしまうと、「どうやって正しい情報と間違った情報を判別するの?」という声が聞こえてきますが、実は、正しい情報だけを得ることは意外と簡単です。

実際、筆者もそのやり方を忠実に実践したことで、経済的にはかなりの成功を収めることができました。

では、どうすれば多くの情報の中から、正しい情報だけを取捨選択できるのでしょうか。それは非常にシンプルで「成功した人から話を聞く」ということに尽きます。資産運用であれば、実際に自分で運用して成功した人の話を、お金の節約術についても、実際に取り組んだ経験のある人の話を参考にすればよいのです。

このコラムでは何度か説明していますが、資産運用やお金との付き合いというのは、習い事やスポーツとまったく同じで、経験がモノを言う世界です。どんなに野球に詳しくても野球をしたことがない人から野球を習おうとは思わないでしょうし、ピアノを弾いたことがない人から、ピアノのレッスンを受けようとはしないはずです。ところがお金の話になると、そうなってしまうケースが実に多いのです。

世の中には、投資の指南本が溢れていますが、中には自分ではまったく投資をしていない人が書いたものがあります。もちろん投資について、学術的に詳しい人が書いた本であれば、単純に知識を吸収するという効果は期待できますから、こうしたコンテンツを購入することにも意味があります。しかしながら、経験していない人から学ぶ場合には、あくまで情報を得るためという割り切りが必要であり、決してノウハウを得ようと考えてはいけません。

当たり前のことですが、「こうすれば儲かる」というやり方が分かっていれば、まずは自分で実践するはずであり、自分は投資せずに他人にだけ披露するということはまずあり得ないでしょう。

※写真はイメージです。

一方で投資の世界には絶対的にうまくいく方法というものは存在しません。筆者もこのコラムにおいて、どうすれば資産運用がうまくいくのかという話をしていますが、あくまでも自分の経験と理論から「こうすれば成功する確率が上がる」というところまでしか言及することはできません。逆に言えば、断定的に説明している人の話は、あまり信用しない方がよいでしょう。

投資の場合には、プロフィールなどで実際に成功した経験があるのかが分かりますが、お金との付き合い方といった話になるとプロフィールだけでは判別できないこともあります。しかしながら、実際に自分で試してそれをコンテンツにしている人の話には常にリアリティーがあり、中身を読むとそれは実感として理解できるはずです。読んでみてリアリティーを感じられないコンテンツは、あまり参考にしない方がよいと思います。

もっとも成功者から話を聞くことにも弊害はあります。最も良くないのは、才能がありすぎる人の話を真に受けてしまうことでしょう。

例えば、ある起業家が「自分はお金に糸目をつけず好きな車を買ってきたが、それが成功につながった」と語っていたとします。確かに、その人にとってはそうした習慣が自信につながり、結果的に大きな成功を呼び寄せたのかもしれませんが、私たち一般人がそれをやってしまうとほぼ確実に失敗します。

こうした事態に陥らないためにも、とにかく多くの成功者から話を聞くことが重要だと筆者は考えます。実際に成功した人が書いた本を20冊一気に大人買いしたと仮定しましょう。そこにはいろいろな主張が混在しているはずですが、ほとんどの成功者が共通して語っている話も見つけ出すことができます。

多くの成功者が共通して語っている内容というのは、成功するための「真理」ということになりますから、着実に実践すれば、自分も成果を出せる確率が高まります。こうした視点で、人から学ぶという行為を着実に繰り返していけば、特別な才能がない人でもお金と仲良くなれるはずです。

あまり機会はないかもしれませんが、身近に資産運用などで成功した人がいる場合には、頼み込んででも話を聞いた方がよいでしょう。成功した人というのは、他人にも成功して欲しいと思っていることが多く、大事なノウハウも意外と簡単に披露してくれたりするものです。

成功した人の話は、非常に魅力的ですから、感化されすぎないよう注意する必要がありますが、実際に成果を上げた人から話を聞くことができれば、それは何十冊の書籍以上の効果を発揮します。その意味では、セミナーなどに行って話を聞くというのは、投資対効果としては非常に大きいのではないかと思います。

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