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割り勘よりおごりの方がよい理由

経済評論家加谷 珪一

世の中には「割り勘」vs.「おごり」論争というものがあります。どちらがよいのかについては、それぞれ長所と短所があるわけですが、お金の教養という観点からすると、断然「おごり」に軍配が上がります。

人とのつきあいには、多かれ少なかれ上下関係が発生する

割り勘の最大の長所はスッキリしていて、完全にフェアであるという点です。最初から割り勘と決めておけば、余計なことを考えずに済みますし、お互いに気を使うことがありませんから、合理的で便利な方法といえます。

一方、どちらかがおごるということになると、いろいろな気遣いをしなければなりません。割り勘と比較すると高度なコミュニケーションスキルが必要となってきます。確かに面倒な話ではありますが、ここをうまくコントロールできるようになると、お金に関する知恵が飛躍的に高まるのも事実です。

あまりきれいごとを並べても意味がありませんから、ストレートに言ってしまいますが、人とのコミュニケーションには多かれ少なかれ上下関係というものがつきまといます。完全に対等な立場で付き合えるのは学生時代の友人くらいのものでしょう。

もし多少なりとも仕事が関係する相手であれば、割り勘という概念は持たない方が賢明です。

人とのコミュニケーションにやたらと上下関係を持ち出すのは、昭和的なやり方の典型ですから、あまりよいことではありません。今の時代はどちらが目上であっても丁寧語が原則ですし、お互いを尊重した上で会話を進めていく必要があります。
それでも、どちらがお願いをしているのか、どちらが優位にあるのかといった基本的な関係だけはしっかり把握しておかなければなりません。

性格にもよるので一概には言えませんが、立場が上の人が、自分が払うと言った場合には、本気でそうしたいと思っている可能性が高いでしょう。ここで「割り勘でいいです」と言ってかたくなに拒否してしまうと、「そこまでして借りを作りたくないんだ」と思われてしまう可能性があります。

物事には限度というものがありますが、基本的に上の人が下の人におごるというのは、自然なことですから、そこを基準に物事を考えれば大きな間違いはないはずです。

※写真はイメージです。

商売上手な中国人が割り勘にしない理由

社会的な立場がほぼ同じ場合には、お願いしている割合が高い方がおごるというのがもっともスムーズでしょう。ここで大事なのは、もしおごられた場合には、必ずどこかのタイミングでお返しをすることです。

今回はこちらがお願いしたので食事をおごり、何か役に立てることがあれば次に会うときに相手を手伝い、その代わり、今度は相手におごってもらう、という付き合い方ができれば理想的です。

商売が上手といえば華僑に代表される中国人が思い浮かびますが、彼らは基本的に割り勘をしません。関係がフラットであっても、こちらが中国を訪問した時は彼らが支払いを行い、その代わり、彼らが日本に来た時にはこちらが案内して食事をごちそうします。

こうした関係性が維持できる相手は、長く付き合う価値があると彼らは判断するのです。逆に1回おごって、相手がそれっきりだったという場合には、長く付き合う相手ではなかったことを知るためのコストだったと考え、キッパリと諦めます。

食事はよき友人を選ぶためのコストなわけですから、おごる時にケチなお店をチョイスすることは無意味です。それなりの値段の店を用意してこそ、おごる意味が出てくるのです。

ここで何としても損したくないという気持ちが働くと、合理的な行動ができなくなります。

食事というのは、相手との関係性を知るためのよい機会ですから、一定のコストが必要となる一方、どうしようもない相手と付き合ってしまうリスクを減らすための保険と言い換えることもできます。

このような考え方ができるようになると、お金との付き合いはさらにスムーズになってくるはずです。

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