お金を呼ぶ教養塾

社会学を知れば、資産形成のヒントが得られる

経済評論家加谷 珪一

一般的には、お金に対する執着心が強くないとお金持ちにはなれないと思われています。そうだからこそ、お金は汚いものというイメージが存在しているともいえます。確かに金額があまり大きくなければ、俗に言う「銭ゲバ」な人の方がお金が貯まりやすいかもしれません。
しかし、もっと大きなレベルのお金ということになると状況は一変します。お金に対して淡泊な人ほど巨額の資産を作りやすいのです。お金が持つこの不思議な特質は、皆さんもよく理解しておいた方がよいと思いますし、この話は社会学の古典においても重要なテーマとなっています。

投資といってもお金が出ていくことに変わりはない

大きな資産を作るためには、何らかの形で投資をする必要があります。投資というのは必ずしも不動産や株式など金融商品とは限りません。自身のスキル向上や、自分で立ち上げた事業にお金を投じることも立派な投資です。

投資というのは将来の利益を見越してお金を投じることですから、究極的には利益を求める行為なのですが、目の前で自分のお金が出ていくという点においては、浪費することと感覚的にそれほど大きな違いはありません。大金が目の前から出ていくと、いくら投資のためとはいえ、心が激しく揺さぶられます。

ここで投資を決断できる人は、ある意味でお金の手離れがよい人だと考えることができます。お金に対して執着心のある人は、この決断ができません。このため大きな投資を実行できないのです。投資をした人がすべてうまくいくわけではありませんが、思い切った投資をしないと巨額のリターンが得られないのは事実ですから、結果的にお金の手離れがよい人だけが、大きな資産を作れる形になります。

お金持ちになる人は、お金の使い方でケチケチしないという話をよく聞きますが、それは浪費をしてよいという意味ではなく、使うべき時には、惜しまずお金を投じる覚悟を持っていると解釈すべきでしょう。

ファッション通販サイトの運営会社「ZOZO」の社長である前澤友作氏がツイッターでフォローしてくれた人たちに総額1億円をプレゼントしたことが大きな話題となりました。お金でフォロワーを買うという行為ですから、あまり品がよいとはいえませんが、いくら前澤氏が億万長者だからといって1億円という金額は決して小さいものではありません。

それでも、効果があると思えばポンと1億円を投じることができるのは、前澤氏はお金に対する執着心がそれほど強くないからでしょう。おそらくですが、前澤氏はお金持ちになる前から似たようなメンタリティーだった可能性が高いと思います。

※写真はイメージです。

マックス・ヴェーバーを読むとお金の心理が分かる

この話は、学術分野でも重要なテーマとなっています。ドイツの社会学者マックス・ヴェーバーはその代表作『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』において、皆がお金儲けに血眼になるような社会では資本主義は発達しにくく、逆に禁欲的な傾向が強い地域ほど資本主義が発達しやすいという矛盾を描き出しました。

具体的には、世俗的な欲求に対して寛容な地域(カトリック圏など)では資本主義があまり発達せず、プロテスタントの影響が強く、禁欲的な風潮が強い地域(オランダや米国)の方が資本主義が発達しやすいということになります。資本主義がうまく機能するためには「資本主義の精神」というメンタルな部分が重要であり、禁欲的な社会においてこそ、こうしたマインドが発揮されやすいというわけです。

ヴェーバーのこの説に対しては、様々な反論もありますが、資本主義や富に関するひとつの側面を捉えていることは間違いありません。

実際、巨額の富を形成する実業家の中には、苛烈(かれつ)なまでの使命感を持ち、余計なことには一切お金を使わないという人も少なくありません。自身のミッションを実現するためであれば、せっかく構築した自分の資産も、次の事業のためにいとも簡単に投じてしまいます。

結果としてこうした人たちはリスクを取っていることになり、その中の一定割合の人は、リスクに応じた巨額のリターンを得ることができるわけです。

皆がこうしたリスクを取る必要はありませんが、お金に対して過剰な執着心を持っていると、大きなお金は作れないという現実については、よく理解しておいた方がよいでしょう。目の前のお金に血眼になっている人を見るのはあまり気持ちのよいことではありませんが、そのような人を見かけても、この法則を知っていれば、多少、気分もラクになるのではないでしょうか。

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